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こうして、前代未聞、人類史上最大と言われた戦争は終わった。勝ったとはいえ、我々の人的、物的被害はあまりにも大きく、戦死者400万人を超え、負傷者は80余万人、母船の75230隻、戦艦の853000隻、戦闘機の6024000機、小型戦闘機Ψ(プシー)210(通称ゼロ戦)の50200万機、ミニ戦闘機Ω(オーメガ)1055(通称ミニカー)551320万機が消滅あるいは完全破壊を受け、残りもすべての部門で戦闘能力を保持していたのは1020%にすぎないありさまだった。母船、戦艦の損失がいちじるしいのはオバサン軍がこの2つに攻撃を集中したためで、もし岩石群の楯がなかったら、あっというまに全滅していたと思われる。

ちなみに、敵第7母艦と対戦したヒデキ少将の第7軍だけを見ると、緒戦では損失は戦闘機26機、ゼロ戦約1万機、ミニカー約9万機のみだったが、敵司令の第9母艦と対戦している第9軍への支援に向かうため、一部の母船、戦艦、戦闘機は移動を余儀なくされたのだ。

その時に真空砲を食らいかなりの痛手を受けたうえ、途中で第1軍への支援に変更になったためますます損傷を受け、第1軍の戦場へ着いた途端にヒデキ少将乗船の戦艦もアメーバの攻撃であやうく宇宙のチリとなりかけたほどである。戦いが終わって見ると、ナラダッタ大将旗下の第7軍は母船12隻、戦艦125隻、戦闘機1260余機、ゼロ戦約36万余機、ミニカー約230万余機を失ったが、これでも全軍のなかでは最小の損害だったのだ。残存の戦力の中で戦闘力のあるのは50%を超え、この値も飛びぬけて高い戦闘力保持率だったのだ。

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 勝ったとはいえ、あまりにも被害が大きすぎたため、祝勝会は止めになり、そのかわり、1年後の戦勝記念日に盛大な祝勝会がアンドロメダのトリトンと天の川の各地でいっせいに催された。

 その間に、オバサン軍はまた攻めてくるのは間違いないことなので、早急に、対策を講じ、実行することが連合軍の元帥会議で決められた。その詳細はまたの機会にお話ししよう。その後、ヒデキ少将は破格の昇進をし、元帥格の大将を付与されたが、例によって技術大将なら受けましょうと主張し、元帥格の大将(技術)なった。元帥格ということは世界に15人ほどしかいない元帥会議に出席の資格を持つが、別段、出席を強制はされないということで、本人も、まだ1度も出席したことはない。

 みんなから祝福されても本人が言うには「なに、魚屋のおっさんだって、大将だもんね。」がヒデキ元帥の口癖である。

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