って、50kmの巨大母艦は自爆機能が破壊されたのか、ゆっくりと分裂、20ばかりの大きな塊が四方に散った。そのため、中から生き残りのオバサン猿人の一部は武装した状態で宇宙に放り出された。1000匹は軽く超えていただろう。背中に大きな物体を背負い、口径が10cmはある武器らしきものを持っている。

これが人類が初めて見る、オバサン猿人のすがただった。宇宙に放り出されたにしてはかなりの軽装だ。こちらの軍はこういう個人戦の武器はなかったので、取り合えず短距離レーザーで応戦。アバサン猿人は怪光線を発射。ゼロ戦やミニカーには損害を与えるが、戦闘機、ましてや戦艦にはあまり効果はない。それにガンダムのように颯爽(さっそう)と飛行するのでもなく、ノロノロと移動するだけ。ノロノロとはいえ、秒速200kmで慣性移動してはいる。みながそのスピードなのでノロノロ見えるだけだ。はじめはレーザーで猿人を処理していたが、途中から生け捕り命令が出たため、戦闘機が接近したところ、いきなり自爆。なんのことはない背中の荷物は、爆発物だった。しかも強力で、長さ400m、径300mはある大きな戦闘機でも吹っ飛んでしまった。そこで、今度は操縦席の小窓から操縦士が衝撃波を発射し、気絶させたが、10秒ほどで、オバサン猿人は自爆。こんなことが、34回繰り返されたため、捕獲はあきらめすべてレーザーで処理。多分、猿人のからだにはなんらかの異常があった時に自動的に爆発する装置があるらしい。

20個余に飛び散った巨大な破片もなぜか数分後にはすべて爆発が爆発を呼び、それこそガンジスの砂粒になってしまった。あくまで、敵に研究対象品を残さないためだろうか。こんな風に2重、3重に自爆装置を働かせるアイデアもシステムも人類にはないだろう。

敵第5母艦はシャルル中尉担当の第5軍相手にかなり有利に戦いを進めており、このままいけば制圧間違いなしのところまで、推し進めていた。しかし敵は総司令部の母艦が壊滅されたのを聞いて、やや、浮足立ってきたところへ、次々と味方母艦が消滅の報が伝えられるや、完全に戦闘意欲をなくし、退却に転じたが、時すでに遅く、連合軍に周囲を完全に囲まれてしまった。

それでも、決死の逃走を試みたが、いかんせん、母艦は勝っていたとはいえ相当にダメージを受けていたので、超高速は無理だろうに、死んでもともとの気持ちで超高速の逃走を試みたようだ。そこへ、駆けつけた連合軍の総攻撃、その砲門数はおそらく万を超えただろう猛攻を受け、10秒も経過しなうちに、このような光景は二度とは見られないような美しいとさえ言える輝き光る金色と濃い藍色の閃光が全天に輝き、どうしたことか勝負は完全についたのに、祝砲を兼ねてか、砲声はいつまでも止まず、さらに各軍の大将、中将が止めるのもきかず、最後の砲声が止むまで、なんと5分近くかかってしまった。

こんな場面では、轟音を発するヤマト(てっ)甲弾(こうだん)が一番人気で、全軍のヤマト弾がスッカラカンになってしまっていた。おそらく、10万発以上が発せられただろうが、自爆装置を持たないので、ぶち当たらない限り110メガトンの核爆弾が推定10万発、100万メガトンの核が宇宙を直進するわけだ。

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