通り、アルコール弾を発射、続いてヤマト(てっ)(こう)弾を発射とまでは、一番槍の各部隊、同じ手順だったが、各部隊でそのタイミングが微妙に異なったため、その後の各部隊の戦況に大変な差が出たのである。

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 ナラダッタ大将の第7軍はヒデキ少将の1番槍の大成功でほとんど無傷で敵の第7母艦を瞬時に破壊したが、ヒデキ少将と急遽(きゅうきょ)交代したラインハルト大尉はヒデキ少将の作戦を支持する数少ない将軍、ゴメス大将の1番槍部隊の司令官カッパ少将の補佐の役だった。その彼は急遽、最強と(おぼ)しき敵第9母艦、つまりサイコロの真ん中に鎮座(ちんざ)する敵の攻撃を受け持った。位置からして、敵の総司令部がおかれていると思われる母艦だ。

 当然、真ん中の敵母艦はヒデキ少将の担当と思っていたのが、自分に降りかかり、相当な圧力となったが、ヒデキ少将のアドバイス通り、外側シールドに70%の戦力をそそぎ、ダメな時はあとの30%を全弾叩き込むように言われていた。ヒデキ少将の思惑(おもわく)通り、外側シールドに70%の戦力、つまり、戦艦3隻、戦闘機60機が若干の誤差はあるが、全砲門開いて約60万発のアルコール弾をあびせ間髪をいれずアルコールをあびて弱体化していると思われる外側シールドめがけて、60万発のヤマト(てっ)(こう)弾を叩き込む。かくて、あえなく外部シールドは崩壊・・・・と、ここまでは順調だったが、内側シールドを破壊するタイミングがややずれて、中途半端な破壊となった。ギラギラボールは回転しながら応戦してくるし、無数のアメーバがこちらへ直進してくる。予想していたとはいえ、冷や汗ものの場面だ。 

 次いで、第9軍の全部隊、戦艦40隻弱、戦闘機約400機の全主砲がユックリまわる若干傷ついたシールドめがけてヤマト弾1200万発を目には見えない敵をめがけて連続発射。11隻の弾薬は数は少ないが、合わせれば多い1200万発だ。その成果を見ることもなく、引き続き、数10秒後に各自、主砲、副砲を全門発射。おもに中距離用プロトン・レーザーだがそのほか10種類に近いまるでレーザーのオンパレードを発射。レーザーは無音なので戦場はさきほどのアナロク弾の発射とは段違いの静けさ。

すべての発射が終わったのが、せいぜい3分ほどか。みんな時間間隔はない。その間、敵母艦やアメーバから真空砲では岩が邪魔して効果が薄いと感じたか、オバサン軍のアナログ弾とも言うべき、爆雷のようなものを放出したらしく、金属を感知したら数メガトンの核爆弾に匹敵する破壊力を持つ爆弾が味方の戦艦、戦闘機を破壊し始めた。予期せざる爆発が各所で起きるのは、ほとんどの爆弾は途中で40万機のゼロ戦や270万機のミニカーが破壊しているのだろう。

1200万発の効果があって、ギラギラボールは回転を停止したが、盛んに爆雷ようのものを放出しているので、このままだと、こちらも全滅しかねない。総司令部に援軍要請をすると同時にゼロ戦とミニカーのヤマト弾搭載機に特攻を指示。残存の約30%のゼロ戦約2万機、ミニカー約65万機がアメーバとの交戦を止め、中心の敵9軍母艦に大挙一点集中突入、スクリーンでこの突入の有様を祈るように見ていた司令部のゴメス大将以下参謀たち

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